悪玉コレステロールと中性脂肪の解説から原因、対処方法まで解説しています

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悪玉コレステロールと中性脂肪

中性脂肪とコレステロールはどちらも肝臓でつくられる脂質の一種で、コレステロールにはLDLコレステロールとHDLコレステロールの2種類があります。

LDL(悪玉)コレステロールは、全身の細胞にコレステロールを運ぶのですが、細胞で使われずに余ると大変なことが蓄積されていくのです。それはなんと「血管壁にたまる」のですから怖いですよね。これが動脈硬化の要因となることから「悪玉コレステロール」と呼ばれています。

HDL(善玉)コレステロールは血液中や血管壁にたまったコレステロールを回収して肝臓に戻す働きをしてくれるのです。なので善玉コレステロールと言われているのです。

中性脂肪は「食べ過ぎ・飲み過ぎ・運動不足」が原因で、過剰になると皮膚の下の脂肪細胞(皮下脂肪)や、内臓周りの脂肪細胞(内臓脂肪)に蓄えられます。これも困りものですね。

コレステロール値異常

原因(1)
動物性脂肪やコレステロールを多く含む食品、加工油脂の摂り過ぎです。

血液中のコレステロールは主に肝臓で合成されるが、2〜3割は食事で小腸から吸収される

「飽和脂肪酸」を多く含む「動物性脂肪(肉の脂身・バター)」の多い食品や、コレステロールの多い食品、トランス脂肪酸の多い食品の過食は、血液中のLDL(悪玉)コレステロールを増やす

原因(2)肥満
体重増加においても、LDL(悪玉)コレステロール値が上がる。

基礎代謝が低下してしまうので、ため込んだ脂肪を燃焼させられず、中性脂肪が多いままとなる。

このままだとHDL(善玉)コレステロールは減少し、血管内で余ったコレステロールが回収できなくなる。結果LDL(悪玉)コレステロールが増えることになる

脂質異常症(自覚症状が現れない)

血液検査で中性脂肪値、コレステロール値に異常があっても自覚症状がないが、基準値を超えていた場合は放置せず、医療機関を受診することが大切です。

薬局などでの自己採決検査の基準

DLコレステロール(LDL-C) 140mg/dL以上 高LDLコレステロール血症
120~139mg/dL 境界域高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール(HDL-C) 40mg/dL未満 低HDLコレステロール血症
中性脂肪(トリグリセライド、TG) 150mg/dL以上 高トリグリセライド血症
Non-HDLコレステロール 170mg/dL以上 高non-HDLコレステロール血症
150~169mg/dL 境界域高non-HDLコレステロール血症

異常を放置すると動脈硬化が進行

中性脂肪値、コレステロール値の異常を放置すると、動脈硬化が進行しコレステロールが血管の内側にたまって、血液の流れが悪くなります。脳や心臓、脚などに様々な障害を起こし「心疾患」「脳血管疾患」の大きな原因の一つとなります。

肝臓で合成された中性脂肪は、コレステロールと共にVLDLとして血液中に流れていく。VLDLは(超低密度リポタンパク質)のことで、血液中にVLDLが増え過ぎると、LDL(悪玉)コレステロールが増産され、LDL(悪玉)コレステロールとHDL(善玉)コレステロールのバランスが崩れて、HDLコレステロールが減ると、LDLコレステロールが回収しきれずに血液内に増加していく。LDLコレステロールが血管壁に入り込み、盛り上がったプラーク「粥腫(じゅくしゅ)」をつくる。そして血管が硬くなっていくため、亀裂が起きやすい。硬くもろい血管が、いつ何処で破裂するかが怖い原因となります。

定期的な健康診断を受ける

定期的な健康診断を受けることが大切です。そして数値を確認しましょう。

中性脂肪値とコレステロール値は、異常があっても自覚症状が無いので、数値異常が見られたら内科を受診してください。

検査結果の基準値はあくまでも目安で、前回の検査と比較して異常値に近づいている場合は、動脈硬化を進めないために早めのケアに取り組みましょう。HDL(善玉)コレステロールは中性脂肪が130㎎/dLくらいから減り始めます。

中性脂肪・LDLコレステロールの予防

毎日の食生活の見直し

中性脂肪値、コレステロール値の異常の原因のほとんどは生活習慣が原因です。予防・改善にはまず食生活を見直しましょう。

糖質、脂質、アルコールを摂り過ぎない

糖質の多い食品(清涼飲料水、スナック菓子、ビスケット、果物など)に注意する。

脂質の多い食品(脂身の多い肉類、マーガリン、即席麺、チョコレートなど)に注意する。

アルコールは適量にして、週に2日は休肝日として肝臓の負担を減らすこと。

青背魚を積極的に摂る

中性脂肪を減らしてHDL(善玉)コレステロールを増やすEPA(エイコサペンタエン酸)は、イワシやサンマ、サバなどの青背魚に豊富に含まれている。青背魚を意識して摂る。

食物繊維を十分に摂る

食物繊維は腸内で、中性脂肪やコレステロール・糖質の吸収を妨げる。

有酸素運動を習慣にする

有酸素運動を行うと、LDL(悪玉)コレステロールを減らして、HDL(善玉)コレステロールを増やします。

有酸素運動は短時間でも継続しましょう。週3回1日30分程度が目安です。

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